私は公私ともにアウトドア派でアクティブ。
家族とスキーに行ったり、趣味の釣りを楽しむサラリーマンをしていました。
仕事は鋼材関係の営業で関東や甲信越を営業車で走り回る日でした。
定年後は、私が長男だったため田舎に戻り実家を新築。
時間があると大好きな釣り三昧です。
仕事を辞めた後も家族とアウトドアを楽しみ、ほとんど家にいないくらいでした。
定年後の2年目、いつものように庭の杉の木を剪定中に事故が起こりました。
転落したのです。
ドクターヘリで千葉県救急医療センターへ。
医師からは、頸髄損傷により四肢麻痺と。
まだまだやりたいことがあったのに。
事故から2か月後、千葉県リハビリテーションセンターへ。
少しずつ元気になってきたので家の改修を行い、
事故から約1年後に退院し帰宅。
その後は大変だったと思います。
息子の協力もあり自宅療養生活がスタートしました。
しかし妻は介護の経験がなく、不安で一杯だったでしょう。
介護サービスは一週間毎日のように受け、
息子達も忙しい中手助けをしてくれて日々が過ぎていきました。
でも、妻は24時間休みなく動き回り過酷な毎日を送っていました。
退院後3カ月ほどして、
千葉県リハビリテーションセンターから「ボイスキャン(旧音声認識環境制御装置)」を紹介されました。
家族と相談し購入を決断。
ボイスキャンの設置には担当の片岡さんが来てくれました。
息子の協力で設置は無事に終了。
そしてボイスキャンの生活が始まりました。
設置後は、段々と簡単なことが自分で出来るようになりました。
テレビチャンネルの変更や、冷暖房の操作から始まり、
インターネットを自分で操作できるようになりました。
私は寝たきりで外部の情報をほとんど得られず悩んでいた事を
「ボイスキャン」は解決してくれました。
そのせいで妻の負担もかなり減ったと思います。
またオーバーですが、介護者が一人増えたような錯覚を起こすことがありました。
設置後はメンテナンスや新しいパソコンに取り換えてもらったり
リモートでサポートをしてもらえました。
自宅療養生活を始めて今年で14年目。
こんなに長く生きてこられたのも「ボイスキャン」があったからだと感じています。
これからも長く使いたいと思っていましたが、
数年前に片岡さんからのお知らせにて、
「ボイスキャン」に対応できるパソコンがなくなった事を知りました。
何とかなると思っていましたが、突然パソコンに異常が発生。
息子に相談すると、片岡さんが後継機となる「ビーハンド」を開発していると知り、相談させてもらいました。
給付についても市役所と話をすすめてくれ、
補助金が受けられるようになりました。
現在、「ビーハンド」を使い始めて一週間です。
家電製品(照明・エアコン・テレビ・サーキュレーター)は、
以前の「ボイスキャン」よりも使いやすく、
設置したその日から操作が出来ました。
とても生活に役立っています。
パソコン制御機能の「キーボード」の操作は、
細かな発話言葉が多く、その上「キーボード」を操作する言葉は
ディスプレイ画面に表示されないので、
まずは発話言葉を覚えまで時間がかかりそうです。
その分、音声で文章を入力する機能を使ってみたところ、
とても早く正確に認識するので現在はこれを使って
インターネットをしています。
登録されている言葉をもっと習得出来れば「ビーハンド」がより一層使いやすくなると思います。